初めまして。国際アロマセラピストのちぃころです。
【アロマセラピー】という言葉は誰しも一度は聞いたことがある言葉だと思いますが、つまるところどういうものか、ご存知でしょうか?
そう聞かれてみるとあんまりよくわからないな…という方も多いかと思います。アロマセラピーの勉強を始めようとしたときの私もそうでした。
今回は超入門として、アロマセラピーとは何なのかを書いていきたいと思います!
アロマセラピーを一言で表現すると
「アロマテラピーは、植物が作り出す“香り”を鼻から吸い込んだり、肌に塗ることで体の中に取り込み、心身の不調を癒して健康維持に役立てる療法です。」
これは、私がアロマセラピーの勉強を始めて最初に習ったことです。
え、心身?精神的な癒しだけではなく、体まで?
そのときの私にはそれが驚きでした。
アロマテラピーには精神的な癒しのイメージがありすぎて、心を癒すのみと思いこんでいました。
身体への作用といっても、心が癒されることで胃がすっきりするくらいの、副産物的なものとしか考えてなかったんです。
その一瞬の驚きで、私のアロマテラピーへの興味はぐわっと大きく膨んだのを覚えています。
アロマテラピーという言葉の誕生のきっかけ
香りや植物を使った療法は古代からずーっとあるものですが、「アロマセラピー」という言葉ができたのは、長い歴史の中ではまだまだ最近。1920年頃のことです。
『アロマセラピー』という言葉を生んだのは、1920年頃のフランスに居た、科学者のおじさんです。彼の名前はルネ・モーリス・ガットフォセ。
(ルネ・モーリス・ガットフォセの写真)
ルネさんは、ある日実験中に大やけどを負ってしまいます。なかなかよくならないその場所に彼はラベンダーの精油を塗ってみることにしました。その後、なんと、あれほど酷かったやけどが、跡も残らず驚くほどきれいに治ってしまいます。その出来事の衝撃から、彼は精油の研究にのめりこみます。ほどなくして「アロマ(aroma)=香り」と「テラピー(therapie)=療法」という言葉を掛け合わせて、「アロマテラピー(aromatherapie)」という言葉まで作ってしまうことになりました。
良い年のおじさんが研究にのめりこんだあげくそれを表す言葉まで作り上げてしまうなんて、やけどの跡はきっとよほど綺麗に治ったのでしょう。
その熱量(モチベーション)をその一つの体験が生み出したとは、ラベンダー恐るべしです。
精油とは?
植物から漂ってくる香りの正体は上の話にも出てきた「精油(エッセンシャルオイル)」という物質です。
茶色や青色のミニマムな瓶に入れられ、アロマショップに売られているあれですね。
植物たちは、小さな体の中に何種類もの香りの成分(芳香成分)を持ち、それが混ざり合った集合体をその植物の香りとして私たち人間は鼻で認識します。
その香り成分だけを抜き取って、ぎゅっと濃縮したものが精油(エッセンシャルオイル)です。
精油に含まれる香り成分はそれぞれに薬の様な作用を持ち、それは人間にも効果があります。
アロマセラピーの身体への作用
アロマセラピーは身体に様々な作用をもたらします。
例えば、ラベンダーという精油が持つ酢酸リナリルという成分は痛みを抑えたり、炎症を抑える効能を持っています。(ルネさんのやけどにテキメン!だったのはきっとこれ。)私はよく赤くなってしまったニキビに塗ってかゆみや痛みを抑えます。
他にも、ローズマリーという精油には血流を促進する作用を持つ成分があり、肩こりや首のこりのマッサージにプラスすると効果を高めます。
また、ローズという精油には人間の女性ホルモンと似た働きをする成分があり、女性のPMS(月経前症候群)を軽減したり、生理周期の安定を助けてくれることもあります。
それぞれの精油で含まれている成分が違うので体への作用もことなりますが、一つ一つの効能を知って生活の中で少しずつ取り入れていると、体調が安定した状態を続かせることができ、生活の質をアップするのに役立ってくれます。
心への作用
“香り”は、もちろん心にも良い効果をもたらします。
例えばオレンジの香り。想像できる方はしてみてください。みずみずしく、優しい甘さのあの香り。すーっと吸いこんで、ふーっと息を吐いて抜けきったあとの気分を。
そこで「今の気分はどうですか?」と聞かれて「とても悲しいです。どん底です。。」と答える人はあまりいないと思います。(オレンジの香りが悲しい記憶と結びついていたら話は別ですけど)。
きっと「良い香り~」と目を閉じたまま思わずニッコリ、なんて人が多いはず。
それもそのはず、オレンジには高揚という作用があります。高揚とは、気分を(気持ちを)引き上げてくれる作用です。心の持ちようが、今いる段階から少しだけ、一段だけ上がる。そんなイメージです。
他にも、ラベンダーなどには鎮静という作用もあって、イライラしたりキーーっと神経質になっているときにその感情の波を穏やかに沈めてくれます。
その効果は、たったの0.2秒で現れます。香りが脳に伝わるまでの時間が0.2秒だからです。痛みなどの感覚は0.9秒ほどかかるということからも、その速さはわかるかと思います。
しかも、香りが伝わる脳の部位と、記憶や感情をコントロールしている脳の部位はとっても近いので、香りによって人の気分は左右される、影響を受けると言われています。
つまり、もし何かにイライラしてどうしようもないとき、辛い気持ちや心の重さから抜けれないとき、たったの0.2秒で気持ちのシフトができてしまいます。香りだけで全て解決することはできなくても、そうやって一つの感情にとらわれているときこそ、心の向きを変えてみるのは有効です。
「アロマセラピーの心への効能」でもっと詳しく書いています^^
アロマセラピーが身体や心に効く仕組み
では、アロマセラピーはどうやって身体に効いていくのでしょうか?
ものすごく細かく書いてしまうと長くて難しくなってしまうので、本当にざっくりと説明してみたいと思います。
精油はとっても揮発(蒸発)しやすく、空気に溶けやすい性質を持っています。
その精油が空気にのって鼻に届き、香りとして認識されると、鼻にある神経が脳に向かって信号を送ります。
精油が鼻の内部で信号に変わって脳に届くイメージです。
その信号は脳の中で、記憶を司る場所、心の浮き沈み、自律神経、ウイルスに対抗する免疫などをコントロールする場所に届き、刺激していきます。
そのため、
香りを嗅ぐことで突然昔のことを思い出したり。
自律神経が整って眠りやすくなったり。
心が穏やかな状態になったり。
そういう効果を期待することができるんですね。
植物が生き残るために作られている精油のパワー
このように、色々な力を持つ精油。植物は日々、その精油を自身の身体の中で作り出しています。
でも、動物は身体の中で精油をつくることはできません。じゃあ、植物は何でその精油を自分の身体で作り出すのでしょうか。
それは、「動物と違って動くことができないから」というのが今現在最も有効な説なのです。
植物は動物と違って生まれて根付いた所で一生を過ごします。
人間みたいに「あ~寒いから家ん中はいろ」とか、「もう家の中も寒いからハワイいこ」とかもできません。寒いとか暑いとかだけでなく、例えばウイルスがいっぱい居る環境だったり、自分を食べる草食動物がいっぱいいる環境など、命が危険な状況でも逃げることさえできません。
そんな植物が取った対策が精油を作り出すことでした。ウイルスや草食動物が嫌がる香りを出すことでそれらを遠ざけて命の危険から身を守る。植物の進化でできた生き残りの知恵なのです。
他にも、植物自身の子孫繁栄のために動物をおびき寄せてその花粉を運んでもらったり、植物自身の身体の内部の巡りを良くしたりする物質も、自分の体の中で作り出します。生きるために必要なものを植物は全て自分の身体の中で作り、その中には人間など動物たちとの関りを強めることを意識して作られたものもたくさんあるのです。
水や土からしか栄養をとらない植物が自ら作り出す有効成分のパワーは計り知れません。私たちは植物を食べたり、こうやってアロマセラピーなどで植物のパワーを借りて生活しているのです。
おわりに
今回はアロマセラピーの様々な作用や効果を簡単に説明してきましたが、最後に誤解のないよう、大切な注意事項を書かせて頂きます。
アロマセラピーは医療ではありませんし、精油は薬ではありません。効果は人によってそれぞれ違いますし、ものすごく劇的な作用が期待できるものもありません。もうすでに持病をお持ちの方や妊娠中の方には使えない精油もたくさんあり、注意が必要です。
ですが、今では医療の現場でも多く活用されるようになり、正しい用法や量を守って適度に使うことができれば、その効果を期待することができます。
最近は、私のアロマセラピスト仲間の中でも病院に施術に行っている方もたくさん居ます。
私自身、アロマテラピーを本格的に日常に取り入れることで、気分の大波のような浮き沈みも穏やかになったし、3か月に1回ぐらい気まぐれに来ていた生理も毎月ちゃんと来るようになりました。
そんなアロマセラピーのパワーを伝えられるよう、これからたくさん紹介していけたらと思います!
*アロマセラピーの主な効能を知りたいと思ったら*
*精油をつかってみたいと思ったら*